PC-6001がやって来る。ヤァヤァヤァ

さて、忙しいからといって放置しておくのもなんだから
昔話でもしてみるかっ。


俺が10歳の時「男ならこれから必要な時が来るから」という
理由で父親が誕生日に麻雀牌をプレゼントしてくれた。
同様の理由で翌年にもらったプレゼントがPC-6001という
ものすごくツンデレなパソコン(当時はマイコンと呼んだ)
だった。


当時のパソコンは電源を入れるだけじゃ単なるジャマな箱。
何らかの動いているモノを見たければ自分でプログラムを
組むしかない。てことで最初は電波新聞社から発行されていた
マイコンBASICマガジン」という雑誌に投稿されているゲームや、
ナツメ社から発行された「はるみのゲーム・ライブラリー」の
コードを打ち込んで居たんだが、数をこなす内に、どの命令が
どんな処理を行なうかが判って来るとオリジナルなものが
作りたくなって来る。


当時ツクダオリジナルから発売されていた、LSIゲームの
「NTVアメリカ横断ウルトラクイズ」が我が家にあったんだが、
付属の小冊子に掲載されている問題の番号を入力した後に、
答えの番号を入力すると正誤判定をしてくれるというダケの
大変ショボイ代物だった。


大体時期を同じくしてアーケードゲームにも、問題に答えて
ニューヨークの決勝まで進み、勝つと認定証を発行してくれる
という内容のウルトラクイズがあったんで、それをパク…
えーと…モチーフにパソコンで何とか出来ないか?と考え、
プログラミングを開始。
ランダム出題のロジックをなんかを考えるより前に、アメリカの
地図を描画する部分から手を付けてしまった。


方眼紙に北アメリカの地図を描き、直線で描画出来る部分を
切り出して行き、その座標を打ち込んでLINE文で描画するんだが、
座標ごとにLINE分を書いていてはソースが長くなるので、
READ〜DATA文でX座標、Y座標、挙動を読み込むという形式を採る。


READ X,Y,Z
IF Z=0 THEN LINE(X,Y)-(X,Y) ELSE LINE-(X,Y)

DATA 10,10,0,10,20,1,20,20,1,20,10,1,10,10,1
上記の例では正方形を書いているんだが、こんな感じで
アメリカを描いてみたり、P-6のドットは縦長だったんで、
更にXに1.6掛けたりしてたんだが…


PC-6001の画面描画能力は画面解像度128×192で4色、
256×192で2色しか色数を使えないという、今のパソコンでは
考えられないほど愛らしい、力不足のグラフィック能力を前に
「クイズプログラムを作る」という考自体が頓挫してしまい
ましたよ。さらに当時のパソコンでは漢字を出力できなかったのも
痛かったね。まぁPC-6001はひらがなを表示できたし「時・分・秒」
とか特殊な漢字は表示できたんで、同時期のほかのパソコンよりは
マシ(他のパソコンはカタカナしか表示できなかった)だったんだが。


グラフィックのショボさと対照的に8オクターブ3重和音
という当時のパソコンとしてはかなりの高性能(当時の他の
パソコンはBeep音だけだったり単音だったりオクターブ数が
少なかったりが主流)であるPSG音源(FM音源やPCM
音源ではない)にハマっちゃって、益々クイズはどこかへ
追い遣られてしまった。…PLAY文の影響で未だに楽譜を見ると
「ド、レ、ミ」より先に「C、D、E」が頭に浮かんでしまう。


つづく。